佐々木 大輔
Vice President of Business Planning / Tokyo
Business

世界最高のサービスを目指して、常に「ベストプラクティス」を

大学時代は教育者を目指しながらも、かねてから興味のあったインターネットに関わる仕事を選択。編集者としてキャリアをスタート。その後、株式会社ライブドアからLINE株式会社執行役員(エンターテイメント事業担当)を経て、2017年11月にSmartNewsに入社。Vice President of Business Planningとして日本のメディア事業開発部門を担当。

佐々木さんはどういった理由からスマートニュースに入社されたんですか?

機械学習を駆使して情報を届けるサービスに携わりたいという思いから、それに真剣に取り組んでいる会社としてSmartNewsを選びました。昔は、情報配信の方法としてソーシャルグラフを頼るようなトレンドがあったと思うのですが、私はそれに疑問を持っていたんです。思い返してみてほしいのですが、2010年代の前半には「情報収集はもうSNSだけで十分!」みたいなことがよく言われていましたよね。ニュースサイトよりもSNS、報道よりも友人のクチコミ。そういうトレンドです。それに対して私は「そんなわけないだろう」とずっと思っていたのですが、2016年の米大統領選挙以降、フェイクニュースやフィルターバブルの問題がよく知られるようになってからは、ソーシャルグラフだのみの情報配信には限界があるということがよく知られるようになってきました。今はSmartNewsがしている挑戦の意味が理解を得られやすい時代になってきたなと感じています。

スマートニュースのメディア事業開発部門では具体的にどのような業務をされているんですか?

メディア事業開発部門には主に「コンテンツ編成」と「パートナーリレーション」という2つの役割があります。前者はユーザーとの接点になる業務で、後者はパブリッシャーとの接点になる業務です。実はこの2つ、利害が一致しないことがよくあります。パブリッシャーが売上を伸ばすためにやりたいことが、ユーザーにとって魅力的じゃないということはよくありますし、反対に、ユーザーが求める方法でコンテンツを提供したら、パブリッシャーとしてはビジネスを継続できない、ということもよくあります。だからその両方のバランスをとって、ユーザーとパブリッシャーがともに繁栄していくような方法を見つける必要があります。この異なる2つの立場を統合していくことがメディア事業開発の仕事だと思っています。

デジタルで流通の仕組みが変わったことで、作られるコンテンツ自体も変化したのでしょうか?

広告モデルが進化したことによって、この10年間でコンテンツの質が問われなくなってしまった部分はあります。パッケージされているメディアがその品質を高めようとすることにインセンティブが働くのに対して、ターゲティング広告などの手法を前提にしたビジネスモデルでは、どんな方法でもいいから読者を連れてこればそれでいいということになりがちですから、品質は二の次という考え方が出てきてしまったりするわけですね。近年やっとターゲティング広告の手法に歯止めがかかり始めたことで、あらためて媒体やパッケージの質が求められるような揺り戻しがあるようには思いますが、今後も流通やビジネスモデルがコンテンツそのものに大きな影響を与えることは間違いありません。

現在はどのような状況ですか?

SmartNewsは、パブリッシャーからお預かりしたコンテンツと新しい読者の出会いの機会をつくりだしているのですが、その方法は、コンテンツ配信のアルゴリズムを開発することだけではありません。SmartNews Adsのような広告プロダクトを開発することによっても、コンテンツの流通に影響を与えています。今後も、広告に限らず、コンテンツに関わるあらゆるビジネスモデルの可能性を検討しながら、メディアのエコシステム全体やコンテンツの質の向上に働きかけていきたいと思っています。

VPとしてメディアBD部門だけでなく会社全体を広く見られている立場から、スマートニュースならではの採用のこだわりを教えてもらってもいいですか?

常に「ベストプラクティス」を目指している、ということですかね。反対の意味にあたるものとして「ブリコラージュ」という言葉を説明するとわかりやすいかもしれませんが、簡単に言ってしまうとブリコラージュはオンリーワンを作る手法で、ベストプラクティスはナンバーワンを作る手法ですね。ブリコラージュが「身の回りにあるもので作り上げる」というような意味だとすれば、ベストプラクティスは「それを実現するために最適なものを集める」という意味です。SmartNewsは創業の頃から、情報を届けることに関して世界最高のサービスを目指していますので、それを実現するための人材にも、高いレベルを求め続けています。設定している目標がほどほどではないので、その基準を高く保つように強く意識しています。ちょっと厳しく聞こえるかもしれませんが、高い目標に向かって働くのは、本当に楽しいですよ。それに一緒に挑んでくれたらうれしいですね。

Books

おすすめの本を通して人を知る

自分を人間に戻してくれた、魔法使いの物語

これは『ゲド戦記』の第1巻となる物語です。初めて読んだのは中学生の頃で、社会人になってからもよく読み返しています。今日持って来たのは、1968年にアメリカで出版された初版です。やはりオリジナルの方が霊力が宿っているかなと思いまして、数年前に購入しました(笑)。『影との戦い』のなかに、魔法使いの主人公・ゲドがハヤブサとして世界を飛び続け、あやうく人間に戻れなくなってしまうというエピソードがでてきます。それがあるとき、自分の姿に重なって思えたことがあるんです。とにかくずっと働いていて、それが当たり前になってしまっている状態です。でもある日、自分がハヤブサになっていることに気付きました。いま人間に戻らないと、もう一生人間に戻れなくなる。この本を読んでいたおかげで、自分をそんなふうに振り返ることができました。自分を人間に戻してくれた、とても思い出深い本です。

『影との戦い - A Wizard of Earthsea』

著者:アーシュラ・K・ル=グウィン
出版社:Parnassus Press
出版年:1968年

※2021.09.01時点の内容です