私はオタク気質が強くいつも本に埋もれていました。移民の両親のもとで育ったので学業は常に大きな関心事でした。特にメディアやエンターテインメントには興味がありました。現在の私のキャリアは、市場調査と消費者インサイトの分野です。大学では金融とマーケティングを専攻し、金融関係のインターンをいくつか経験しました。そこで「データに基づくのストーリーテリング」という考え方に出会います。金融のデータ的側面と市場調査のストーリーテリングが組み合わさることに興味を持ちました。
大学卒業後はメディア企業のパラマウント・グローバル(旧 ViacomCBS)で働いていましたが、もう少し違う仕事に就きたいと思うようになりました。他の機会を探し始めたとき、スマートニュースに目が留まりました。私の職務経験を持つ人を募集しており、しかもそのポジションはニュースとメディアの分野で、もう少し技術に重点を置いたものでした。
きっかけはLinkedInでした。アプリをダウンロードし、SmartNewsがローカルニュースに焦点を当てていることに興味を持ちました。若い世代の人たちはニュースに関心がありますが、それは全国的なものやグローバルなものであり、どこか遠くで起きていることのように感じられます。そして多くの人は、自分の家の近くで何が起こっているのかさえはっきりと把握していないでしょう。私がニュージャージーの故郷にいる両親を訪ねたとき、SmartNewsのアプリは「その場で起きていること」に関連した情報を届けてくれたことに驚きました。
最初にリクルーターと、次に採用担当者と面接しました。採用マネージャーと話したことで、ますますこの仕事に魅力を感じました。この人と一緒に働きたい、この人から学びたいとすぐに思いました。その後、最終面接と内定通知を受ける前にチームの他の数人と会ってプレゼンテーションをする機会を得ました。会った人たちは皆、信じられないほど頭が良く、とても使命感に燃えていることが面接のプロセスを通じて伝わってきて感動しました。
米国マーケティングチームの消費者インサイトマネージャーです。新たにどのような機能を追加するべきか、既存のユーザーや潜在ユーザーは何に興味があるのか、SmartNewsを市場に広めるためにできることは何なのかを導きだす手助けをしています。米国市場には、すでにパブリッシャーのニュースアプリを使っている人、他のニュースアグリゲーションアプリに関心のある人、まったくニュースに関心のない人など、多くの人がいます。これらの異なる人々に同時にアピールするメッセージをどのように作ればいいのかを考えます。たとえ自分には関係ないと思っていても、ニュースを読む価値があると思わせるにはどうすればいいのか。重要な決断を下すために必要な「良質な情報」を提供する一方で、それを消化しやすく、ポジティブで、理解しやすいものにすることとのバランスをどう取ればいいのか。異なるタイプのユーザーを区別し、彼らのペインポイントやニーズにどう対処すべきかを理解できるようにするのが私の仕事です。
現在、2023年の成長戦略に関するプロジェクトに取り組んでいます。非常に影響力のあるプロジェクトなのでプレッシャーを感じるのは確かですが、今後数年の間にスマートニュースが目標やビジョンをどのように変えていくか、誰にアプローチしていくかを考え、戦略をたてていくことにワクワクしています。
素晴らしいチームです。みんな本当にフレンドリーで、大切な人たちだと感じています。仕事だけでなく、仕事以外のことでもお互いがハッピーでいられるように考えてくれていて、私が何に興味を持っているかを気にかけてくれます。絆を築くのが上手いというのもスマートニュースの特徴で、お互いが人生で大切にしているものを尊重し合うのが私たちの文化だと思います。
とても重要なことに取り組んでいると実感できることです。この5年間で状況は大きく変わりましたが、どうすれば適切により多くの人々をSmartNewsのアプリに引き込むことができるのか、いま誰にリーチしているのか、その人たちやSmartNewsが理想とするオーディエンスに応えるために何をすべきか考え続けるのが、最もやりがいを感じることです。個人的には、ローカルニュースに焦点をあてているという側面はSmartNewsを際立たせており、価値があると感じています。
同じ職能の人がチームにおらず、自分一人というのは初めての経験でした。日本にはカウンターパートがいますが、私が配属されたときこのロールに就いている人は他に誰もいなかったんです。マーケティングチームが独自に市場調査を担っている部分もありますが、私はこの仕事の責任者としてすべてのベストプラクティスを実施し、ユーザーから学び、機能全体を一からリードすることになります。多くの意思決定とオーナーシップがあることは成長の糧になりますし、本当にエキサイティングです。
ミッションに対する情熱と、ユーザーに対する理解が重要です。私たちはすでにアプリでニュースを読んでくれている人たちだけにフォーカスしている訳ではありません。ストレスやネガティブ、偏見のない方法でニュースそのものに注意を払うべきだと人々に納得してもらいたいのです。これはとても大切なことで、私たちのチームで活躍するためには、そのミッションを心から信じる必要があると思います。
またスマートニュースのようなスタートアップの環境においては、速いペースで成長し、意志決定が変わることがあっても柔軟に対応していくことも大切です。
正直に言うと私も苦手だったのですが「流れに身を任せること」をおすすめしたいです。私はもともと、物事の進め方について、明確な方向性や道筋を求めるタイプでした。しかしスマートニュースの面接の過程で、やり方がわからないことも、一緒に学んで考えて道筋を見つけていけばいいと言われたのを覚えています。新しい学びにワクワクすること、そして、すべてを知ることはできないと理解することが大切ですね。
SmartNewsのアプリをよく見ることです。 面接中、アプリのどこを変えたいか、改善したい点は何かについて、複数の人から質問を受けました。何を変えたいか、その変更の長所と短所について明確な答えを用意しておくといいと思います。アプリについてよく知らない場合も、あなたがユーザーとして何を得たいのかを考えてください。
おすすめの本を通して人を知る
私の人生を完全に変えた本です。著者は本作で、私たちが毎日使っている様々なシステムの設計プロセスから、本質的に女性が排除されている例を挙げています。たとえば、自動車のシートベルトは男性のテストダミーを使い、男性用に設計されています。女性の体の構造、つまり女性が交通事故にあったときのリスクが考慮されていないのです。公共交通機関など生活に欠かせないものが、人口の半分である女性を考慮せずに設計されている例はたくさんあると知り、データの専門家としてとても高い関心を持ちました。
キャロライン・クリアド=ペレス
『存在しない女たち: 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く』(邦題)
出版社:河出書房新社
出版年月:2020年11月