私の国籍は韓国ですが、生まれ育ちは日本です。大学時代に会計士資格を取得し、キャリアは監査法人からスタートしました。金融機関の監査を中心に数年経験した後、事業会社で内部監査にも携わりました。ここに来る前の最後のキャリアは FAS (ファイナンシャルアドバイザリーサービス)で、会計関連のアドバイザリーに従事し、主にリストラクチャリングやM&A関連の案件を担当。事業計画の策定やデューデリジェンス、 PMI 等々を通じ、クライアントの経営をサポートしていました。またFAS の在籍中には政府系の金融機関に出向し、 M&Aファイナンスの実務にも携わったことがあります。前職のあとすぐ スマートニュース にジョインしたのではなく、MBA留学を挟んでから来ました。
ロサンゼルスの University of Southern California (USC) です。幼少期に親の仕事の都合で少し住んでいたことのあるカリフォルニアにもう一度行ってみたいという気持ちがありました。また普通の MBA は20代~30代前半の人をメインターゲットにしたプログラムが多いのですが、USCには平均年齢が30代後半で自分と同年代、かついろんな業種のマネージャー・経営層が集まるMBAプログラムがあり、それも魅力的でした。
最高でした。天気がとても良くて。天気って実は重要だと感じていて、カラリと晴れた真っ青な空は人の気持ちを上向かせるというか、多少大変なことがあっても頑張れる気がします。
また人種が多様だったのも印象深いです。アジア人も多く住んでおり、環境には割とすぐに慣れました。なおUSCのMBAはグローバルコミュニケーションに力を入れていて、私の入学年度は 17 カ国から生徒が集まってきており、キャンパス内でも多様性を体感する日々でした。アメリカのほか中国、台湾、日本、韓国、インド、ブラジル、ロシア、ASEANなどから来ているクラスメイトが、互いに助け合い励まし合いつつプログラムを乗り切るという、世界情勢的には色々あるけどそれはさておき皆で頑張ろうという、そんな感じでした。
実はもともと私、小さい頃から画家になりたかったんです。でも高校時代の半ばで、画家になるには絵の才能が足りないと自信を喪失し、諦めてしまいました。将来どんな仕事をするかはそこから考え出したのですが、とりあえずどんな職に就くとしても大事な知識は経済かなと思って、経済学部に入り金融を専攻しました。そこでファイナンスは世界に流れる血液のようなものだと学びました。この循環が滞ると世界に混乱・停滞をきたすことになります。多くの変数が絡み合う複雑なシステムで、絶対解のない難しい領域でもありますが、面白いなと思いました。
また会計士になったのは、国籍が日本ではないこともあり将来のため資格を取っておこうと考えたことや、当該資格と経済学部で学んだこととの親和性が起点でした。会計の知識があれば、例え馴染みのないビジネスでも足元状況や趨勢を財務数値から分析・理解することができるので、習得しておいて良かったなと思っています。
出向や留学を挟みつつ ですが、10年以上のFAS在籍期間を経て、自分の中で会計・ファイナンスというスキルの軸が一定確立されてきたなと思いました。それをさらに突き詰めていくのも良かったのですが、長期的に何をしたいのか考えたときに、一つの分野の専門家であり続けるというよりも、もう少し広い観点から企業の管理について考えてみたくなりました。あと、アドバイザーというのはどこまでいっても企業の外部者なんですね。専門的見地からのアドバイスを提供しても、それを経営全体の中でどのように生かすか、もしくは使わないかは全てクライアント次第です。でも私は、自分の動きや提案が組織にどのように作用していくかということに興味がありました。そこで、一つの企業に腰を落ち着けて、その中で起こるいろんな課題に自分ごととして取り組んでみたいと思ったのが、転職を考えた経緯です。管理部門が総体としてどのように組織活動を支えているのかを理解し、またその一部として組織基盤を支えることにチャレンジしてみたくなったのです。
なぜ スマートニュースかということですが、まさに管理部門で幅広い業務経験を積むことができるポジションで人材募集があったのが一つ。また、複雑性を増す現代社会において、テクノロジーの力で「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」というミッションを掲げている点にも惹かれました。人の生活の質、人生の質を高めていくことに貢献するビジネスなんだなと。加えて、選考中に会った社員皆が事業やミッションに誇りを持って仕事に臨んでいることが伝わってきたのも大きかったです。
想像以上にフラットな環境だなと思いました。入社前から、ベンチャーなので大企業よりは風通しが良さそうと想像していましたが、実際に入ってみると経営陣との距離感が思ったよりずっと近いことに驚きました。私が所属しているチームの仕事柄でもあるのですが。また当初予想を遥かに上回る業務幅で、いまだに新しい経験や学びに溢れる日々を送っています。
個人的には、今後はエンジニアリングやビジネス部門の人たちとの何気ないコミュニケーション機会をもっと増やしていきたいなと考えています。もちろん業務上必要なコミュニケーションは今もありますが、当社の組織理念であるグローバルワンチームを目指すにあたっては、自分が所属するコーポレート部門以外のメンバーのことや、それぞれの立場からの考え方をもっと深く理解した上で、コーポレートとして更に最適な立ち回りができるようになりたいと思っています。
私が所属するPlanning and Administrationというチームの仕事の一つに、取締役会や株主総会、経営会議といった、コーポレートガバナンス上重要な会議体の事務局業務があります。事務局とは、招集通知・議事録作成や日程管理という仕事のみならず、各会議体でいつどのような意思決定が成されるか・成されるべきかを把握し、それが滞りなく行われるために誰とどのように動くべきかという、広範囲かつ機動的な検討・調整能力が求められます。経営陣との連携も不可欠です。当該役割を通じて会社の重要な意思決定プロセスをサポート・理解できることは、自身の成長に繋がっていると感じます。またそれ以外にも、当チームはガバナンスの構築維持に係る幅広い仕事を同時並行で回していく必要があるので、FAS時代以上に効率的にマルチタスクをこなせるようになった気がします。まだまだ成長途上ですが。
法務、株式管理、経理、IR、FP&A、CEO’s Officeや内部監査など幅広いですね。私の所属チームであるPlanning and Administrationは、前述のとおりガバナンス関連業務という大きな概念のもとで多種多様な役割を担っており、コーポレートの中の何でも屋さんという側面があります。また定常的な業務の傍らでアドホックに引き受ける業務も多く、複数のチームを跨るコーポレート関連プロジェクトを取りまとめるといったこともやるので、結果として様々な組織と協業することになります。個人的に、これまでで最も多くの組織と連携した経験はシンガポール法人立ち上げプロジェクトです。
海外法人設立の経験はなかったので、大変でした。 私個人の知見は限られているので、コーポレート内外の多くのメンバーからサポートを受ける必要がありました。私の主な役割は、関係する人たちを適切に巻き込んで協力してもらう旗振り役でした。例えば規程類整備や国際税務対応、管理会計体制の検討など、一部タスクは私がリードしましたが、法人としてビジネスを開始するには当然それ以外の多くの検討課題があり、本当にたくさんの人が関与しています。難しい局面もありましたが、その分、無事に法人が設立されビジネスが回りだしたときの喜びは大きかったです。苦労した分、学びや得られるものも多かったと思っています。
今は、チームはUSに1人と、日本に 4人(うち1名は兼務)という、私を入れて計 5人体制です。 チームメンバーはみんな仲良しですね。お互いに尊敬し合いつつ、意見があるときはちゃんと言い合える関係性です。
頻度はメンバーによります。私は結構まちまちですが、あるメンバーはほぼ毎日出社していますし、小さなお子さんのいるメンバーはご家族の状況に合わせて出社と在宅を調整されています。
今の時代、歴史ある大企業だからといって安定しているとは限らないですし、どこか一つの会社に骨を埋めるとかでもないと思います。私個人としては、仕事を選ぶ際には会社の安定性に過度に期待するのではなく、自分がビジネスやミッションにどれだけ共鳴できるか、どれだけ貢献できるか、そして自分がどのように成長できるかが重要だと考えています。貢献・成長の観点では、スタートアップは参画早々重要な仕事を任せてもらえたりしますし、大企業に比べると短期間のうちに多くの経験を積める機会に恵まれていると思います。
当チームに限ったことではありませんが、スマートニュースでは、役割期待に応じて一定の自主性を持ちつつスピーディに物事を判断・推進することが求められます。その中でPlanning and Administration は主にコーポレートガバナンス・インターナルコントロールに関係する業務を担当しているチームで、先述のとおり取締役会、株主総会等の事務局のほか、グループ全社の社内ルール管理なども担当しています。具体的には、当社はグローバルにビジネスを展開しており、順守すべき法規制・商慣習などはグループ各社で異なりますが、その中でどんなルール体系であれば全社ガバナンスを効果的かつ効率的に構築・維持できるかを検討し、職務権限や稟議フローの改修まで担っています。また、ベンチャーである当社では、ビジネスの環境やフェーズに応じて組織や戦略を柔軟に変更していく必要があり、これに伴い適切なガバナンスというものもどんどん姿を変えていきます。そんな中でも一歩先を読んで、適切なアップデートを迅速に推進していくことが重要となります。アップデートの必要性を適時にキャッチするには、チームメンバーのみならずいろんな人たちとコミュニケーションをとっていくことが不可欠なので、それを楽しみながら思考を深めていける人がこのチームには向いていると思います。組織というものは人でできてるので、人とのコミュニケーションを通さないと組織にとって望ましいガバナンスは見えないと思っています。人に対して関心を持ち、対話を大切にしながらガバナンスを一緒に構築してもらえる方に、ぜひ入ってきていただきたいです。