Inside SmartNews

「伝える力」を、すべてのビジネスに──SmartNewsのセルフサーブ型広告を生んだ責任者の6年間変わらぬ想い

2025年08日19日

  • LINEに投稿する
  • Xに投稿する
  • LinkedInに投稿する
  • Facebookに投稿する
  • リンクをコピーする

20歳のときに事故で入院を余儀なくされたなかで、ラジオに救われたことが自身のキャリアに大きな影響を与えたと語る今治さん。以前勤務していた楽天で中小企業とローカルビジネスの熱量と面白さに感化され、キャリアを重ねたのちスマートニュースにジョイン。6年越しの想いがついに形になった「セルフサーブ型広告」を立ち上げました。伝えたいを「伝わる」に変えるプロダクトとして世に送り出した今治さんのキャリアにおける熱い想いをお届けします。


【Profile】
今治 和也 (いまじ かずや) - 大学卒業後は楽天グループ、KDDIグループにて営業、マーケティング、Webディレクション、事業開発に従事。2019年にスマートニュースに入社。パフォーマンス広告領域、デジタルエージェンシー領域、SMB領域のマネージャーを歴任。現在はDirectorとして、デジタルエージェンシー領域、SMB領域を統括、パフォーマンス広告領域を牽引。直近では、セルフサーブ型広告プロダクトの立ち上げ責任者を担当。

入院中のベッドで聞いたミスチルが人生を変えた

― 今治さんのキャリアの原点を教えてください。

高校を卒業してから2年間フリーターだったのですが、20歳のときにバイクで事故を起こして、半年くらい入院していました。2ヶ月ぐらいベッドで寝たきりで、とても暇でした。でも、病院ってテレビ代が高いですよね。それで母がラジオを持ってきてくれて、たまたまFMヨコハマを聴いていたのです。

「そのとき頑張ってることを教えてください」ってテーマのメッセージ募集をしていたので、送ってみたのです。「いま、怪我して足が動かなくて歩けません。リハビリ行っても足が動かないし、これからどうすればいいんだろう……」と。

やや自暴自棄な内容だったのですが、その投稿が読まれて。曲のリクエストは書かなかったですが、ラジオDJが「そういうときに僕が聴く曲をお贈りします」と言って、Mr.Childrenの『終わりなき旅』をかけてくれたのです。「胸に抱え込んだ迷いが プラスの力に変わるように」という歌詞を引用してくれて。あ、すごいな、言葉でなにかを伝えて、人はこんなにも影響されるんだ、と強く感じました。

― 今治さんにとっての「伝える」の原点がそこにあるのですね。

はい、「伝える」ことに携わりたい、と思ってそこからラジオDJを始めました。大学1年生から4年間ずっと。たまたま関東の大学生のラジオDJのコンテストで優勝することができて、それで幸運にも4年間続けられました。でもなかなか就職でラジオDJになる道というのはないのですよね。ただ、1つだけこのルートがあるかもって思ったのがアナウンサーでした。

アナウンサー試験は就活のタイミングも早かったので、全キー局に書類を出しました。1社は最終手前のカメラテスト手前ぐらいまで行ったのですが、結局はダメでした。地方局の1社では最終面接まで進み、そのときその会社の方が「君、実況とフリートークがいいねぇ」と言ってくださったのです。でもスクールに通ってたわけではないですし、ニュース原稿読みは苦手で……。結局、残念ながらその道は閉ざされてしまいました。

ただ、大学生のときにEC(ネット通販サービス)が流行りだしていました。ネオンイエローが好きで、スペインからビジャレアルCFというプロサッカーチームのユニフォームを買ったりしてたのです。また、スニーカーが好きで、インターネットで調べてなんでも買えるんだって驚きがあったり。もしかしたらこの仕組みを使えば世の中の違うトレンドがつくれるんじゃないかって思い、ご縁をいただいて楽天に新卒入社しました。

中小企業の熱量に圧倒された新卒からの10年間

― 最初のキャリアではどんな仕事をしていたのですか?

最初は営業ではなく、配属はWebディレクターでした。企画を立てて、世の中にトレンドをつくるような仕事をしてました。その後、大阪の営業に異動になって、そこでECの現場を経験したのが、のちのちの私のキャリアですごく大きかったですね。

ECの世界で「カリスマ」と言われる店舗さんと年間表彰が終わった後に、海外研修旅行に行くリワードプログラムがありました。上海にみんなで行ったときに衝撃を受けたのをすごく覚えています。自分が知らなかっただけで、地方の中小企業の方々がものすごい熱量でビジネスと向き合ってるのです。

― どんな熱量を感じたのですか?

自分たちが売っているもの、つくっているマーケットに対してものすごい熱量を持ってて驚きました。単純にものを売るだけじゃなくて、「どうやったら自分たちの商品を手にしたお客様が幸せになってくれるのか」をとことん考え抜いている。ただものを売るだけでなく、経営や人の幸せまで考えてるわけです。世の中のこういう中小企業の方々、特に地方ローカルの中小企業のエモーショナルな方々に感化されました。

そうした高い熱量を持った方々が、社長さんばかりだったのです。このような中小企業の社長さんといった方々に経営とはなんぞや、ビジネスとはなんぞやっていうのを、私は7〜8年間ずっと教わり続けてきました。本当にこういう人たちが経済を動かしてるんだなって身をもって体感したのは、今では本当にラッキーだったと思います。そして同時に、20代から30代前半にかけてこういった方々と膝を突き合わせてきた時間は、ものすごく贅沢な時間だったと感じています。

ヘビーユーザーとして感じていたSmartNewsの可能性

― そこからスマートニュースまではどんなキャリアを歩んだのですか?

大きな会社のブランドをこれまで背負ってやってきたので、次のキャリアに進んだ際には、関係なしにやっていけるかどうかの再現性を確かめたかったのです。それで、DeNAを経てKDDIグループで一からECプラットフォームの立ち上げを担当させてもらいました。

今までの知見をフル活用しながら、マーケティングヘッドとして人の流れをつくり、WebディレクションヘッドとしてUI / UXを整え、その後営業ヘッドとして売上を立てる。そういったお仕事を3年やって、ECプラットフォームはそこでやりきったなっていう感覚になりました。

プラットフォームに依存しないオウンドドメインを育てる、そこに貢献できるマーケティングチャネルをつくらねばならないと思い、広告のプラットフォームを考えてました。そんな折に、スマニューのクーポン事業を立ち上げた楽天の新卒同期にたまたま会う機会があり、「うちの広告事業でミドルマネジメントを探してるよ」と言われたのが、大きな転換点となりました

― 運命的なタイミングですね。スマニューのことは知っていたのですか?

実はSmartNewsアプリは、2012年のローンチの2週間後あたりから使ってて、ずっとiPhoneのホーム画面を1軍占有してるくらいのヘビーユーザーでした。当時は地下鉄を利用していたんで、電波がなくても読めるし最高じゃんこれ、って感動していました。

ただ僕、テックの会社だと思ってたのです。だからビジネスサイドの募集があるって聞いて驚いて。話を聞いてたらアメリカでもさらにアクセルを踏んでいくタイミングで。自動車とか日本のハードを海外に持っていって成功した例はありますが、ソフトはまだまだ事例が少なかった。そこに新しい夢を見たいし、じゃあ自分は日本で売上をつくって成長のエンジンになりたい! と心躍りました。

当時は最終面接がKenさん※1 とKaiseiさん※2 それぞれと1時間面接だったのですけど、Kenさんに「LCS※3 とSMB※4、今治さんだったらどっちからやる?その理由も教えて」って聞かれて。「SMBです!」って即答しました。

これまでお話してきたように、僕は中小企業をずっと見てきました。日本も欧米諸国も99%くらいが中小企業ですよね。大手企業のみならず、社会を支えるこの膨大な数の中小企業をきちんと支えていくことができれば、マーケットプレゼンスもつくれる。そう確信して2019年6月にスマートニュースに入社しました。

※1:鈴木 健 — スマートニュース株式会社 取締役会長
※2:浜本 階生 — スマートニュース株式会社 代表取締役社長 CEO
※3:Large Customer Sales(大手顧客向け営業部門)
※4:Small and Medium Business(中堅・中小企業)

6年越しの有言実行。ついにセルフサーブ型広告が誕生

― 入社後すぐにSMBに取り組めたのですか?

当時はまだ営業組織も小さかったです。とにかく入社から1年ぐらいはキャッチアップしながらカオスな状況下でもまれてたのですけど、そこからコロナ禍になってしまいました。

人が外に出ないからローカルビジネスがかなり影響も受けてしまって、今こそお世話になった方々の役に立つべきなのではないかと思ったのですが……。当時のSmartNewsの広告は、お客さまである企業が自由に出稿できるものではなかったのです。

「自分たちでアカウントつくって、すぐに広告を出すっていうのは実現できないのでしょうか」と広告事業の立ち上げや責任者を経験された当時のSVPに相談したのです。すると「その構想はあったんだよ。でもまだできてないから、やってみるのはいいんじゃないかな」と。そこから当時のプロダクトマネージャーとセルフサーブ型広告の構想をつくりはじめたのが、すべての始まりです。

マーケットリサーチからビジネスインパクトの想定まで、必要なあらゆることを自分でやって構想を形にしようとしていたのですが……。2023年に経営環境の変化も大きく変わり、いったんすべてがストップしてしまいました。

― そこから復活のきっかけはあったのですか?

2024年の夏過ぎぐらいに社内で、「セルフサーブ型広告って前に構想を進めたことがあるけど、もう1回チャレンジしてみよう」という機運が高まり、本格的に再稼働しました。2024年の秋に入ってからプロジェクト化して、止まっていた時計の針が動きはじめました。そして2025年7月10日に、セルフサーブ型広告を世に送り出すことができたのです。

ECの業界を出るときに、いろんなEC経営者の方から「なんでEC以外のところに行くの?」って言われることも多かったです。「ECプラットフォーム以外で、みなさんの事業を支える選択肢をつくりたいから、ちょっと待っててください!」って宣言してたのです。そこから6年かかりました。

伝えたいを「伝わる」に変える仕事はミッションに通じる

― セルフサーブ型広告を今後どう大きくしていきたいですか?

僕はこのセルフサーブ型広告を、「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」というスマートニュースのミッションと重ねてやってきました。地域の人たちの「伝えたい」を、SmartNewsの広告を通して「伝わる」に変えてビジネスの成長を後押しするプロダクトにしたいと思っています。セルフサーブ型広告のリリースに先立って今年6月に提供をはじめた「地点半径ターゲティング」を組み合わせて利用することで、その想いを実現できると僕は確信しています。

自社の売上はもちろん大事です。企業としてそれは当然大事なのですが、それだけでなく、地域に根差したローカルビジネスの成功事例を増やして成長を支えていくことを、自社の売上と同時に実現することを常に考えています。当社のCore ValuesのFor the Common Good(共通善のために)にも通じる話だと思っています。(Core Values: スマートニュース全体で社員一人ひとりが重視する日々大切にすべき価値観であり、私たちの意思決定と行動の基盤となる原則のこと)

― 今治さんのSNS発信では、想いを形にした「第一歩」という表現がありました。

セルフサーブ型広告は、あくまで『「伝える力」を、すべてのビジネスに』というビジョンに対して、ゲートウェイをつくって扉を開いた段階だと思っています。でもまだその扉を開放したばかりでしかありません。当社の「SmartNews」のユーザーの皆さまが利用してくださるアプリ上で目にするニュースフィードに出るSmartNewsの広告は、他社の広告媒体と比較しても専念視聴性が高いことがわかっており、相当ユニークかつうちの強みだと思います。だからこそ、使ってくださる方々がいろんな成功事例をつくって、さらにその事例をわれわれがサポートしていかなければいけないと感じています。

これまでの私のECのキャリアで、出店者さんが成功事例をつくって横展開してコミュニティが育っていくのを目の当たりにしました。こちらがなにかつくって「どうぞ使ってください」ではなく、むしろ利用していただける方々に寄り添いながら一緒に育てていく関係性を築いていきたいです。それが僕は正解だと思うのですよ。

福島県の和菓子屋さんの成功事例で確信した「伝える力」

― セルフサーブ型広告について、今治さんの言葉で説明していただけますか?

僕はずっと『「伝える力」を、すべてのビジネスに』って話をしてるのですが、いろんなローカルや中小企業に行ったときに、せっかく優れた商品やサービスがあっても、それがなかなか世の中に伝わってないってことがすごくあり、もどかしく感じることが少なくなかったのです。SmartNewsのセルフサーブ型広告は、そうした「伝わらない」課題を、手軽に解決することができる広告プロダクトです。誰でも簡単に、自社の魅力を「伝える」ことができる。それがこのプロダクトの本質だと思っています。

▲今治がプレスイベントで報道関係者に熱く想いを語った際のスライドの1枚

― 具体的にはどんな方々に喜ばれるのでしょう?

福島県に「柏屋」さんという江戸時代から約170年続く老舗和菓子屋さんがあります。『柏屋薄皮饅頭』という看板商品があるのですが、昔からのファンでその商品を知る人たちの年齢層が近年上がってきた一方で、若い人にはなかなか知られていない、という現実があるそうです。洋菓子や季節限定商品もあって「柏屋」というブランドや歴史があるものの、看板商品しか知られてないという課題があったのです。

CTR5.1%超・CPC25%減!老舗和菓子店がSmartNews Adsで見出した新たな顧客層の開拓法

― 柏屋さんとはどんな出会いだったのですか?

今回、セルフサーブ型広告のプロジェクトを始めるにあたり、「どんな市場や企業の皆さまに有効だろうか?」という仮説を検証するため、SmartNews Adsをご利用いただいたことのある30社以上にインタビューさせていただいたのです。

そのなかで、「柏屋」さんのエピソードに触れた瞬間に、「これだ!」と。長い歴史を持つ老舗和菓子屋さんですが、社内にマーケティング専門部隊はいないわけです。それでも、我々のニュースアプリ「SmartNews」ではニュースコンテンツに並んで馴染む形で広告が出るから、ブランドのストーリーもしっかり届けることができるので、専門担当者が不在の企業であっても、安心して広告出稿ができる。地域セグメント配信機能もあるから、地元の方々にも効果的にリーチすることも可能です。結果的に、非常にご評価いただき、また実際に驚くような広告効果が出ました。

こうしたポジティブな成功エピソードに触れるまでは、社内でも仮説ベースでしかセルフサーブ型広告の可能性を話すことができなかったり、どこか決め手に欠けてたのです。しかしこの「柏屋」さんの事例など具体的な幾つかのケースに触れたタイミングで、狙うべきマーケットだったり、「だからセルフサーブ型広告をつくるんだ」という道が一気にひらけたと思っています。

ようやく自分を100%開放。4年くらいかっこつけてました

― 6年越しの想いを形にして、今治さんご自身に変化はありましたか?

たぶん、今がいちばん素の状態になれていると思います。スマニューに入る前は、自分のエモーショナルな部分で事業や組織のベクトルをつくって引っ張るタイプだったのですけど。この会社に入ったとき、賢くてスマートな方が本当に多くて、「自分はちょっとタイプが違うかも」と思い、しばらく殻をかぶってました(笑)。

― その殻を破るきっかけはあったのですか?

セルフサーブ型広告の責任者として、70%くらいは自分を開放していたと思います。しかし最近開催されたGlobal All-Hands(全社集会)で、CFOのJinさん※5 からの熱いメッセージを聞いたときに「あ、100%開放でいいんだ」って霧が晴れました。たぶん、スマニューに入ってから4年ぐらいかっこつけてたんだと思います(笑)。ちょっと長かったかもしれません。

そこからは「今治さん、人が変わりましたね」と言われるようになって。でも、実は変わってないのです。どちらかと言うと100%開放バージョンが本来の自分なので、素の状態に戻っただけと思っています。

※5:最高財務責任者(CFO)秋山 仁


▲JinさんのFacebook投稿。両者の熱さが共鳴する


― これからどのようにスマートニュースを盛り上げていきたいですか?

気の置けない仲間たちとせっかくだったら勢いがある会社っていうか、さらに元気な会社にしたいじゃないですか。だから、もっと自分らしく、やっていこうって思ったのが本当にこの数ヶ月ぐらいです。誤解を恐れずに言うと、今がいちばん仕事をしていて楽なのです。変に気を張ってない。セルフサーブ型広告の責任者をやらせてもらって、自分自身も大きく前進することができました。

― ありがとうございました。最後に、今治さんから一曲リクエストをお願いします!

Mr.Childrenで『終わりなき旅』

編集後記

インタビュー冒頭から、ラジオDJ仕込みの会議室に心地よく響く低音ボイスで流れるように語りだした今治さん。ひとつ質問をするだけでこちらの意図を汲み取り、まるで映像を見ているかのように物語が淀みなく語られるさまは圧巻でした。「伝えること」に誰よりもこだわってきた今治さんが、『「伝える力」を、すべてのビジネスに』というビジョンと6年前から変わらない想いを形にした一貫したストーリーにも心打たれました。

そんな今治さんですが、プライベートでは釣りが趣味で、ふたりのお子さんをもつパパでもあります。「釣り人たるものお食い初めのマダイは自ら獲るべし」と宣言し、大荒れの東京湾で3.7kgのマダイを釣ってしまうワイルドさと勝負強さを持ち合わせています。殻を破って100%自分を開放した今治さんのこれからにますます目が離せません。

 

取材 / 文 = Inside SmartNews編集部(花井)
撮影 = Inside SmartNews編集部(山移)

▶ JP Ad Businessの募集ポジションはこちらをご覧ください

  • LINEに投稿する
  • Xに投稿する
  • LinkedInに投稿する
  • Facebookに投稿する
  • リンクをコピーする