Inside SmartNews
スマニューポイント開発チームが語る。PM・デザイナー・エンジニアが共に創り共に磨くプロダクト

今回は2025年9月29日にローンチされた「スマニューポイント」にスポットライトを当て、実際にプロジェクトをリードした プロダクトマネージャー(以下、PM)、デザイナー、エンジニアの3名に開発の裏側やスマートニュースらしいプロダクト開発のリアルを伺いました。
※本記事は、英語で行われたインタビュー内容とオリジナル記事をベースに、日本語版として構成や表現を再編集したものです。
加藤 雄一(Yuichi Kato) [写真左]
Lead Product Manager of the JP Product team and lead for SmartNews Points Project
Anshu Verma [写真中央]
Senior Software Engineer on the User Feature Delivery team, working on gamification initiatives
Zoey Xie [写真右]
Product Designer on the JP Design team, focused on enhancing user experience
なぜスマートニュースを選んだのか ― 3人の視点から見た「この会社で働く理由」
― まずは、みなさんがなぜスマートニュースに入社をしたのか教えてください。
加藤さん(PM):もともとSmartNewsのヘビーユーザーで、ユーザーとしても大好きなプロダクトでした。自分のプロダクトをつくってきた経験から、「多くの人の日常に深く入り込むプロダクトづくりがしたい」という思いが強くなり、この規模感で開発できるのは魅力的でした。
Anshuさん(エンジニア):スマートニュースにいた友人から強く薦められたことがきっかけです。単に規模が大きいだけでなく、日本での信頼度、ニュースアプリという社会的意義のある領域、そして米国を含むグローバル展開に対してワクワクしました。「日本で働きたい」という個人的な夢もあり、ここなら叶うと感じました。
Zoeyさん(デザイナー):開発プロセスが厳格な場合、デザイナーのUIへの関与が限定的になることがあります。「ここではデザイナーが初期段階からプロダクトを一緒につくる」と聞き、強く惹かれました。実際、本当に最初から最後まで関われる環境でいい意味で驚いています。
SmartNewsのプロダクト開発は、いかにして始まるのか?
― 新しいプロダクトや機能はどのように生まれるのでしょう?
加藤さん:決まった型はありません。トップダウンのアイデアもあれば、エンジニアやデザイナーのボトムアップの提案から始まることもあります。重要なのは「いいアイデアを誰からでも歓迎する」柔軟さですかね。
Zoeyさん:PMと話すなかで自然に課題が見えて、そこからアイデアが生まれることも多いです。まずプロトタイプをつくって議論するのがスマートニュース流で、実物を触りながらの議論はとても有効だと思います。
Anshuさん:エンジニアも早い段階から議論に参加します。「技術的に可能かどうか」だけではなく、「この仕様はユーザーにとって自然か」「サポート負荷が増えないか」といった視点も含めてフィードバックを行います。
― 実際にアイデアを形にしていく段階で心がけていることはありますか?
加藤さん:PMとしては「なぜそれをつくるのか」「どのようにビジネス成長につながるのか」を明確にして、チーム全員の認識を揃えることを大事にしています。デザイナーとは要件をクリアにし、エンジニアとは実現可能性や体験への影響を確認し、データサイエンスとは定量的な裏付けを確認しながら進めていきます。
新プロダクト「スマニューポイント」はどう生まれた?
― 今年の9月末にローンチされた「スマニューポイント」の構想はどのように生まれたのでしょうか?
加藤さん:市場調査で「ニュースとポイントの相性が良い」というデータがあり、それが出発点でした。以前のポイント付与モデルでは構造的な課題があったため、内部通貨に切り替えて体験全体を再設計しました。
― 再設計することにどんなメリットがあったのでしょう?
加藤さん:「交換しやすい」「有効期限が長い」「価値が直感的に分かる」というメリットが挙げられます。たとえば、「1日2ポイント」よりも「240ポイント」のほうがユーザーの心理的満足感は大きいんですよ。ゲーミフィケーション効果はとても強くて、例え金銭価値は同じであっても、数字の見せ方ひとつで習慣形成に影響が出るんです。
Zoeyさん:デザイン面では「貯めたくなる体験」を意識しました。数字の見せ方やアニメーションの工夫は、ユーザーのモチベーションの高さに直結します。
― プロジェクトを進める上でのチャレンジもあったと思いますが……
Anshuさん:技術的にはかなり大規模なプロジェクトでした。ポイントの蓄積は巨大なトラフィックを伴います。段階的なリリースを行い、負荷状況を細かくチェックしながら安定性を確保しました。
加藤さん:不確実性が高いプロジェクトだったこともあって、どこでリスクを取るかを慎重に判断しましたね。ユーザー全員が100%納得することは難しいですが、多くのユーザーにとって良い方向へ進む、と判断した時点で必要な意思決定を行いました。
スマートニュースの“共創文化” ― PM×デザイン×エンジニアの密な連携
― SmartNewsの開発では、職種間のコラボレーションがとても密だと聞きます。
Zoeyさん:本当に、「最初から一緒につくる」感覚です。PMから背景や目標を共有してもらって、デザインフローとインターフェースに落とし込み、それをもとにPMと細かい部分まで議論します。その後すぐエンジニアにレビューをしてもらって実現性を確認します。
加藤さん:スマートニュースでは職種の境界が薄いんです。PMが全部決めるのではなく、デザイナーの視点やエンジニアの視点がプロダクトを形づくります。「最終的にユーザーにとって良いか」はとても大事な判断基準です。
Anshuさん:だからこそ遠慮なく話せます。難しいリクエストであっても「できない」ではなく「こうすればできる」「こういう副作用がある」という形で返すようにしています。率直に話せる信頼関係があるので、解決が早いですね。
Zoeyさん:Anshuは、小さな修正でさえも、すべてのリクエストを尊重して受け入れてくれるんです。その信頼があるからこそ、ためらうことなく変更を依頼しやすい。そんな信頼関係が、プロダクトをより良くするのに役立ったと思っています。
― 開発現場において、スマートニュースらしさを象徴する文化ってなんだと思いますか?
加藤さん:オープンさ、ですね。過度に説明したり、説得したりするのに時間を費やす必要がありません。誰もがすぐに理解してくれますし、何かうまくいかないことがあれば、一緒に解決策を見つけることができます。
Zoeyさん:意思決定がすべて「データとロジック」に基づいている点です。誰か一人の好みや感情に左右されることなく、論理とデータに基づいて構築されています。また、PM・エンジニアとの信頼が厚いので、改善のスピードが飛躍的に上がることも大きな特徴です。
Anshuさん:非常にユーザー志向です。技術的には問題ないことでも、ユーザーの体験を損ねる可能性があることに関してはすぐにフィードバックを行い、結果的に品質向上につながっていきます。アイデアは大胆に出すけど、影響を受けるユーザーが多い分、リリースは極めて慎重。これはスマートニュースならではだと思います。
スマニューポイント開発で得た学び ― プロダクトを前に進めるために必要なもの
― 「スマニューポイント」開発を通じて得た学びを教えてください。
加藤さん:一番大きかったのは、「どこで踏み切るか」を決める勇気です。プロジェクトが大きくなればなるほど、不確実な部分はなくなりません。全員が満足する判断はほとんどありませんし、どこかで必ず迷いが生まれます。
でも、ユーザーにとって良い方へ進むと確信できたタイミングで、腹をくくって前に進めるかどうかがPMとして本当に大事だと感じました。間違いを恐れていたら、新しい価値を創造することはできませんから。
Zoeyさん:私自身は、PMやエンジニアとの関係性が強固であるほどデザインの質が上がる、という当たり前のことを改めて実感しました。今回のプロジェクトでは、提案しても断られるかもしれない、と遠慮する必要がなくて、気づいたらすぐに伝えて、すぐに直していく。その速度感と安心感が、今回のプロジェクトを前向きに進める大きな原動力になりました。
Anshuさん:エンジニアリングの観点では、規模が大きいプロジェクトでも、初期からのすり合わせがしっかりできていれば迷わず進めるということを再確認しました。PMもデザイナーも、曖昧なまま次のステップに進まないので、「何が目的で、どこに制約があるのか」が常に共有されるんです。これはスマートニュースならではの文化だと思います。
― スマートニュースでプロダクトをつくる面白さは、どんなところにあると感じますか?
加藤さん:根拠に基づいて議論しながら、大胆に挑戦し、品質には妥協しない。この三つが同時に存在している点だと思います。スマニューポイントのような大きなプロジェクトでも、意図や目標が共有されていれば議論がスムーズで、全員が責任を持って進められるのがスマートニュースらしさです。
Zoeyさん:ユーザー体験を中心に据えて話せるところです。デザインが単なる装飾ではなく「体験づくり」の中心に位置づけられているのが、とてもやりがいがあります。
Anshuさん:自分たちがつくったものが、翌日には想像つかないほど多くのユーザーに届く。その手触り感が、次の改善へのモチベーションになります。規模の大きさとスピード感が両立している環境は、なかなか得られるものではないと思います。
編集後記
加藤さん、Zoeyさん、Anshuさんの3人にインタビューをしていると、まるで彼らが普段仕事をしている様子をそのまま見ているような気分になりました。リラックスしていて、オープンで、互いにアイデアを出し合うことに慣れている。バックグラウンドは異なっても、地に足のついたコラボレーションのスタイルを共有しているからこそ、会話がとてもスムーズでした。
仕事以外では、それぞれがユニークな趣味でエネルギーをチャージしているようです。
Zoeyさんは、週に1回はボルダリングへ。スマートニュースボルダリング部の活動に参加することも!オフタイムは音楽や映画鑑賞でリラックス。「細くて弱そうに見えるかもしれませんが、懸垂だってできるんですよ(笑)」とのこと。
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Anshuさんは、Zoeyさんと同じくボルダリングが好きで、さらにFPSゲーム、スノーボード、ジム通いと多趣味でアクティブ。来日してから本格的にトレーニングを始め、有名なサイクリングコースで1日90kmを走破したこともあるみたいです。
加藤さんは、息子さんと遊んだり、公園を散歩したり、東京中の美味しいものを探求するのが楽しみ。最近はゴルフを始めたそうです。個人的なこだわりとして、どんなに忙しくても食事とお風呂は欠かさないそうで、冬場は1日3回お風呂に入ることもあるそうです。
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取材 / 文 = Lead Recruiter(Dona Pardo)
編集 / 撮影 = Inside SmartNews編集部(花井)