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「正解がない領域」こそおもしろい。スマートニュースのAI活用を最前線で支えるリーガルチーム

2026年06月16日

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AIをめぐる法整備が各国で急務とされている今、AI活用を推進する企業のリーガルチームはどうあるべきでしょうか。

スマートニュースのLegal Divisionに所属する、Data & AI Legal マネージャー・鎌田千翔さんと、Public Affairs マネージャー・籔下裕介さんにとって、「まだ正解がないこと」はこの仕事の醍醐味です。

弁護士と元官僚 —— 異なる道を歩んできたふたりが、いまスマートニュースのAIガバナンスの最前線に立っています。キャリアの起点から、「正解のない余白の領域」で仕事をするおもしろさまで、率直に語っていただきました。



鎌田 千翔(かまた ちか)
Legal Division / Manager, Data & AI Legal
法律事務所で弁護士としてのキャリアをスタート。外資系企業や株式会社リクルートでの社内法務として経験を重ね、データプロテクションやプライバシー領域の専門性を高める。2024年12月、スマートニュースに入社。現在は日米のデータプライバシー規制に対応しながら、ユーザーデータの活用やAIプロダクト開発におけるリスク評価・対応をリード。プロダクト開発チームと連携し、実態に即したルールづくりを進めている。

籔下 裕介(やぶした ゆうすけ)
Legal Division / Manager, Public Affairs

総務省入省。情報通信分野の政策立案に従事。ガラケーからスマートフォンへの移行や、5Gなど次世代通信方式の導入など、通信インフラの変革期における制度設計や政策推進に携わる。2022年スマートニュースに入社。現在は政策や規制の動きを踏まえ対外戦略の立案・推進を担当。政府との関係構築や政策提言を通じた事業環境の整備に加え、法改正への対応や社内方針の整理にも取り組んでいる。

弁護士と元官僚が、スマートニュースを選んだ理由

おふたりともキャリアのスタートが異色ですよね。弁護士や国家公務員を選んだきっかけから教えてください。

鎌田さん:大学では法律ではなく国際政治を専攻していたこともあって、はじめは国連とか外務省などまったく別のキャリアを考えていました。ただ、実際に働いている方々の話を伺って、組織のなかで自分ができることには限界があるのではないかとも感じていて……。

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「個人として社会にどう貢献できるか」と悩んでいたとき、ある弁護士の方と出会ったんです。その方は発展途上国で、政府と連携しながら法整備支援をされていて、弁護士としてできることの幅広さや「こうした形で社会に貢献する方法があるんだ」と衝撃を受けまして。それがきっかけで、弁護士を目指すようになりました。

籔下さん:私は「全体最適を考えられる立場にいたい」という気持ちが強くて。民間企業はどうしてもビジネスの成長が最優先になる場面があって、社会的な死角ができやすい。サイレントマジョリティまで含めてルールを設計できる場所として、国家公務員を視野に入れました。新しいことが好きで変化の速い情報通信分野に惹かれていたので、その掛け合わせで総務省を選びました。

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社会への強い思いと、スマートニュースはどのように結びついたのでしょうか?

籔下さん:国家公務員として政策形成に携わるなかで「ルールを使う側の力学も知りたい」と思うようになりました。政府にいると、プレイヤーが実際にどう動くかは想像はできても、100%理解することは難しい。だからこそ、当事者の目線に立って理解したいと思い、転職を考えました。

ただ、社会全体を見渡す視点はもち続けたいと思っていたので、民間企業に行くことにはすこし葛藤もありました。そんななかでスマートニュースを知って、ミッションやコアバリューに衝撃を受けたんです。「For the Common Good(共通善のために)」というコアバリューを民間企業が掲げるというのは、どういうことなんだと(笑)。

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民間企業がこれを掲げるのは、一見矛盾していますよね。そこに興味を引かれて、入社を決めました。壮大で青臭いことを掲げているとも思いますが、だからこそスマートニュースが好きだったりします。

鎌田さん:珍しい会社ですよね。私もミッションやコアバリューに強く共感しました。学生時代に発展途上国を訪れて、貧富の差に衝撃を受けてから「本来だったら注目されないような人たちの声がどうすれば届くのか」といったテーマにはずっと関心がありました。

だからこそ、企業で社内法務として働くなかで「本当に社会の役に立てているのか」と立ち返って考えることも多くて。外資系企業などは本社の戦略を実行することが中心になるケースも多く、自分たちのビジネスが社会へどのような影響を与えているか、どう貢献できているのかをダイレクトに理解することが難しいと感じることもありました。

大手の外資系企業などからも内定をいただきましたが、「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」というスマートニュースのミッションや「For the Common Good(共通善のために)」をはじめとするコアバリューを知って「ここなら社会の役に立つことにもつながるかもしれない」と思って入社を決めました。

─ おふたりとも、ミッションやバリューへの共鳴度が高かったんですね。

籔下さん:壮大だからこそ、簡単には達成できない。「どう一歩近づいたと言えるんだろう」というのは常にモヤモヤしています。でも、そのモヤモヤがなければ今ここにいないという感じです。

未整備な領域は、「余白」がおもしろい

─ 現在スマートニュースでは、どのようなお仕事をしているか教えてください。

鎌田さん:ユーザーデータの利活用に関するアドバイスや、AIを活用したプロダクト開発における個人データ・著作権の観点からのレビューなどを担当しています。また、Public Affairsチームと連携しながら、社内ポリシーの策定にも関わっています。

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籔下さんPublic Affairsは、まだ法律として明文化されていない領域や、今後どのように制度が変わっていくかといった、ルールが形成される手前の「余白」の領域を扱います。特にAI領域は社会的な議論は進んでいる一方で、法整備はこれからという部分も多い。そうしたなかで、プロダクトや事業にどう落とし込むかを、鎌田さんたちと一緒に進めています。

─ 籔下さんはPublic Affairs以外にも、いろんなプロジェクトを担当しているような印象があるのですが。

籔下さん:今の私の主軸はPublic Affairsですが、状況に応じて別チームを兼務することもありました。たとえば、CEO's Officeの一員として経営層のオフサイトの企画運営を担当したり、ビジネスサイドの営業組織強化のためにSales Enablementにも携わったり。

もともと「専門領域を明確に決める」というよりは、領域を横断しながら自分にできることを広げてきたタイプなので、スマートニュースではそのスタンスをそのまま活かせていると感じています。

ここは大企業のように、きれいに役割が整備された環境ではありません。ただ、今のカルチャーや規模感だからこそ、「余白」に飛び込んで打席に立つことができますし、成長のチャンスはさまざまなところに転がっている環境だと思います。

鎌田さん:そうそう。そのチャンスを楽しみつつも「意思決定やコミュニケーションのしやすさは残したまま、グローバルならではの挑戦ができる」というのは、日本発のスタートアップであるスマートニュースのとてもユニークな点ですよね。

SmartNewsアプリはアメリカでも展開しているため、日米双方の法制度を同時に考慮する必要があります。一般的には国ごとにシステムや法務を分ける企業も多いですが、SmartNewsはGlobal One Productで提供しています。そのため、プロダクト開発においては日本とアメリカ、さらにアメリカの州ごとの法律まで、すべてのリーガル要件をリアルタイムにクリアし、プロダクトに落とし込む必要があります。とくに州法は頻繁に更新されますし、地域ごとの特徴も大きく異なります。日米で激変する規制環境にリアルタイムで適応していくのは本当に……

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とても大変そうだと思って聞いていたのですが。ひょっとして、おもしろいんですね?

鎌田さん:はい(笑)。もちろん、待っていれば最新の法律やルールに関する情報が勝手に降ってくるわけではないので、実務はとっても泥臭いです。国際団体に所属したり、海外のカンファレンスに直接足を運んだりして、グローバルの最前線から「一次情報」を仕入れるようにしています。

世界中で誰も正解をもっていない領域に積極的に踏み込んで、最新の知見に触れながらルールをつくっていく。法務のプロフェッショナルとして、これほど知的好奇心が刺激されるエキサイティングな環境はほかにないと思います。

複雑な「データフロー図」にワクワクできるか

スマートニュースでは全社員がClaude Codeをはじめ、n8nやDifyといったAIツールに簡単にアクセスできますよね。その体制づくりはどのように進んだのでしょうか。

鎌田さん:AI Accelerationという組織が立ち上がって体制づくりのために動きはじめたので、初期段階からリーガルとしてこの組織と密に連携するAI Governance Unitの立ち上げに参加しました。スマートニュースの良いところは「バックオフィスは後からチェックするだけ」という受け身の姿勢ではなく、事業側や開発側と最初から同じテーブルに座って議論を交わせることです。

どうAIを活用すべきか、スピード感とリスクのトレードオフをどうクリアして優先順位を決めるか。ミーティングの場でいろいろな部署のメンバーと直接膝を突き合わせて議論できたからこそ、スピード感をもって全社導入を推進できたのだと思います。

籔下さん:新しいツールや仕組みの最初のアダプターになるのは基本的にエンジニアが多いですからね。開発現場で何につまずき、何を突破しようとしているのか。その「生の声」を最前線で聞きながらルールを設計できるのは非常にプラスになっています。

「前例がないからダメ」とストップをかけるのは簡単だと思うのですが、スマートニュースのリーガルチームは、どういったスタンスでこの未知の領域を切り拓いているのでしょうか?

籔下さん:鎌田さんたちを見ていると、すごく現場に寄り添ったリーガルだなと思います。複雑なデータフロー図を読み込んで、現場が何を実現したいのか常に汲み取りながら、長期的な視点で本当にそれをすべきなのか、というところまで踏み込んで伴走されているんです。イエス・ノーのジャッジをするのではなく、より広い視点でディスカッションできるのは、この組織ならではの魅力だと思います。

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鎌田さん:エンジニアの方と話すなかでも、新しい発見があって本当に楽しいんですよ。データがどこにあって、どんなふうに動いて、いつどのようなユーザーがアクセスして使われているのか。厳格なガバナンスと透明性を担保するために、プロダクトの裏側にある緻密なデータ設計を根底から理解しなければ、適切なAI法務は担えないので。最先端のマシンラーニングのなかでデータがどう処理されているのか、その一次情報に触れながらルールをつくっていけるので、知的好奇心が尽きないですね。

─ 現場でのAI活用がそこまでハイスピードで進むなかで、Public Affairsとしてはどうやってガバナンスをつくりにいくのでしょうか?

籔下さん:AIガバナンスは、そもそも世界的に見てもまだ法律として十分に整備されていない領域です。明確な正解となる型がないからこそ、他社の事例や業界団体のフレームワークなど、あらゆる情報を泥臭くインプットしながら、「スマートニュースとして何が最適なガバナンスなのか」を自分たちで定義する必要があります。

セキュリティチームとも連携して、無数にあるリスクのなかで「いま本当に向き合うべきクリティカルなものは何か」を整理して、実際の事業判断に組み込めるレベルまでルールを落とし込んでいきます。

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個人情報保護法がカバーしきれないデータ領域についても、ただ法律を守るだけでなく、スマートニュースの理念に照らし合わせて「最適なあり方」を常に模索しているところです。

「マニアックな好奇心」で、日本有数のAI法務へ

今回新しく入ってくる人にはどんな期待がありますか?

鎌田さん:現在の日本は、ヨーロッパのような包括的なAI規制法があるわけではなく、ガイドラインを中心としたソフトローと既存法を組み合わせて対応している状況です。だからこそ、さまざまな法律をジグソーパズルのように当てはめながら、多角的にリスクを判断できる視点がものすごく重要になってきます。

でも、現実として今それができる方は日本にほとんどいません。だからこそ、今のスマートニュースで専門性を身につけることは、将来的に「日本有数のAI法務の専門家」というポジションを確立できると思っていて。キャリアのタイミングとしては、これ以上ないほどおもしろいフェーズだと思います。遠くない未来に、どこからでも求められるはずなので。

どのようなマインドをもった人がフィットすると思いますか?

籔下さん:「前例がないこと」や「変化」を恐れず、むしろおもしろがれる人ですね。この領域は、1年後には今の仕事がまったく違うものに変わっている可能性すらあります。だからこそ「As-Is(現状)」に縛られるのではなく、「To-Be(理想)」を常に白紙から考え続ける思考体力が求められます。「決まった枠組みのなかで仕事がしたい」という固定的なスタンスの方には向いていない環境かもしれません。

鎌田さん:そうですね。先ほどもお話ししたように、私たちはエンジニアのすぐ隣で、最先端の技術の裏側を覗き込みながらルールを整えていきます。複雑な設計を読み解くことに、おもしろみをもてる人に向いていると思います。

わからないことを「あ、裏側ってこういう構造になってるんだ、おもしろい!」って思えるような好奇心と、細かいことを紐解いていくことへの抵抗のなさ……というか。ちょっとマニアックなんですけど(笑)、そういう探究心をもって楽しめる方と一緒にこの複雑なパズルを解いていけたら嬉しいですね。

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▶ リーガルチームでは Legal Counsel, Specialist を募集中です!

取材 / 文 = Talent Acquisition Recruiter(多田)
編集 / 撮影 = Inside SmartNews編集部(花井)

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