Inside SmartNews
営業からCEO's Officeへ。新卒3年目で実感した「やりたいことは言い続ける」大切さ

「やりたいことを声に出せば、チャンスは広がる」そう語るのは、新卒でスマートニュースに入社し、広告事業部の営業チームからCEO’s Office兼営業企画へとキャリアを広げた続麻(つづお)さん。アメリカ留学での挑戦や挫折を糧に、逆境でもポジティブマインドで進んできた歩みを伺いました。
【Profile】
続麻 太清(つづお たいせい) - 慶應義塾大学を卒業後、2022年4月にスマートニュースに新卒入社。入社後はJP Ad Businessに配属され、アカウントマネージャーとして広告運用コンサルティングに従事。2024年1月より金融業種チームの立ち上げに参画し、金融大手クライアントに対する広告提案および事業支援を担当。同年7月からCEO's Officeに着任すると同時に、広告事業戦略推進本部 事業戦略企画部を兼務し、営業戦略の立案や実行支援に従事している。
英語力ゼロでアメリカ留学。勉強漬けの高校時代
― スマートニュースに入社するまでのヒストリーを教えてください。
高校時代のアメリカ留学が自分の人生の大きな転換点でした。
没頭していた中学の部活を引退して将来のことを考えはじめた頃、友人が海外留学していることを知りました。ニューヨークのとある高校へ入学すれば、日本にある系列の有名大学に高確率で進学できる、という話を聞いて。
その高校の学生はほとんど日本人で、当時英語ができなかった僕でもなんとかやっていける環境だと思いました。そこそこ成績があれば落ちることはまずない、と噂されていたことともあって「おいしいとこ取りだ!」と思って受験しました。
― それが海外への一歩目になったのですね。
そのつもりでした。でも、なんと一次選考で落ちたんです(笑)。

一度は日本の高校に進みましたが諦めきれず……。高校1年生がもうすぐ終わる3月のタイミングで自主退学して、翌年アメリカに行きました。当初志望していた高校とは異なり、現地の生徒が半分以上いる学校を選んだので、これはもう本当に苦労しました。
当時の英語力では単語もほとんど理解できず、授業には全く追いつけない状況でした。そもそも宿題がなにもわからなかったんです(笑)。それがダイレクトに成績に影響したので、このときは精神的にかなり削られましたね。
― 大変な道でしたね。どのようにして乗り越えたのでしょうか?
この頃、僕はアメリカの大学への進学を目指していました。アメリカの大学の選考基準では、高校の成績が極めて重要なんです。だから、日本からアメリカに行くときは高校1年から入り直して、3年間で完璧な成績を取って勝負しようと考えました。
3年間、夏休みは遊ばずに勉強ばかり。有名な受験塾に通うために韓国に滞在したりもして。毎日お弁当を2〜3個もっていって、朝から晩まで勉強漬けの生活を送りました。
結局、第一志望の大学には落ちてしまい、日本の大学へ進むことにしました。挫折感もありましたが、「これだけがんばって落ちたらしょうがない」と割り切れるくらいには頑張ったので、やりきった感の方が強かったですし得たものが大きかったですね。
思い返すと、高校時代にアメリカで身につけた根性や目標に向かって努力した経験を就活でも強みとして活かすことができました。
コンサルを辞退して、スマートニュースへ新卒入社した理由
― その後スマートニュースに新卒入社されましたが、なぜこの会社を選んだのでしょうか?
高校時代にアメリカに留学していたこともあり、自分の英語力や異文化カルチャーへの理解が強みだと認識していました。スマートニュースは日本発のベンチャーで本気で海外に挑戦しようとしている点に、自分の強みがフィットするかもと感じて興味をもちました。

最初はアメリカでの就職も考えてはいたのですが、この強みは日本でこそ活かせるという結論にいたったこともあり、海外に挑戦している日系企業という点は非常に魅力的でした。
あとはシンプルに、面談で出会った方々が、本当にみなさんおもしろい方だったことです。全員魅力的で「こういう人たちと一緒に仕事ができれば、たくさん学べるし楽しいだろう」と純粋に思いました。
― ほかにはどのような企業を受けていましたか?
コンサル、メガバンク、総合商社、広告代理店などいろいろ受けていました。僕はなんでも楽しむタイプなので、どんな会社に入っても楽しめると結構本気で思っていたんです。総合コンサルティング企業やIT企業からいくつか内定をいただき、雰囲気やスピード感、チャンスの多さなどを比較して悩んでいました。
スマートニュースは当時大きな資金調達もしていて、ユニコーン企業として注目を集めていましたし、海外展開の動きも活発でした。非常に成長している印象があり、今後さまざまなポジションがオープンするだろうと考えていました。「ここならいろいろなチャンスを掴めるのでは」と心が躍り、最終的に新卒で入社することを決めました。
「やりたい」と声に出して掴んだチャンス
― スマートニュース入社後の配属はどうでしたか?
日本の広告事業を担う JP Ad Business Division に所属となり、営業職であるアカウントマネージャーとして広告運用コンサルを主に担当することになりました。最初に営業を経験できて良かったと思っています。
ビジネスの根幹を理解できますし、営業の現場を知っておく意義は大きいですから。現場経験がなければ、人の心を動かせないこともありますので、とてもいい社会人生活のスタートになったと考えています。
― その後は、CEO’s Officeへの異動も経験されましたよね。
営業経験を重ねてできることが増えていくうちに、もっとクロスファンクショナルで動けるプロジェクトに関わりたいと思って、社内のいろいろな人と話をしていたんです。メンターの先輩方にも繰り返し相談をしながら「こういうことをやってみたいです!」と言い続けていました。
そうしたら、CEO’s Officeでジュニアポジションを募集するタイミングで「チャンスだから応募してみたら」と声をかけてもらいました。その後、正式な社内異動のプロセスを経て、CEO’s Officeへの異動が決まりました。

― 声に出すことが大事なんですね。
そうなんです。言わないと誰にも伝わりませんから。普段から積極的に社内のいろいろな方と関わるようにしていますし、どのような場面でも自分がやりたいことは発信するようにしています。やりたいと声を上げればチャレンジさせてもらえる環境なので、声に出す勇気がとても大事だと実感しています。
ただ、声だけでは足りないとも思っています。ちゃんと今いる場所で実績を出して「この人なら任せられる」と思ってもらわないといけない。だから、営業時代は特に結果にこだわりました。
たとえば金融業種チームの立ち上げに携わったときは、自分の成果がダイレクトに数字に反映される状況でした。プレッシャーもありましたが、その分やりがいも大きく、自分の担当領域では2023年下期には前年同期比149%、2024年前期には前年同期比133%と、着実に成果を伸ばすことができました。
― 結果を残すために意識していることはありますか?
僕はロールモデルとなる存在を見つけて、その人の真似をすることから始めるようにしています。できるだけ複数人見つけて、真似をしてみると学べることも多いですし、大きな失敗をしにくくなります。
また、「Taiseiは運用型広告に詳しい」というブランディングをしたことは、やって良かったと思います。知識を吸収し、自ら発信することで信頼を得て、より多くの機会につながりました。
転職より、社内の贅沢な環境で成長を選んだ
― 新たなキャリアのために、転職は考えなかったのですか?
まだまだスマートニュースでやりたいことがたくさんあったので、転職は考えていませんでした。転職するよりも、スマートニュースのCEO’s Officeで経験を積むほうが、よりキャリアの幅は広がっていくだろうと思っていました。
なんと言っても、西出さん(現Vice President of Japan Ad Business and CEO's Office)や尾木さん(Senior Manager, CEO's Office)をはじめとする経験豊富なマネージャーの方々と、膝を突き合わせて仕事ができる環境はとても贅沢で魅力的でした。ほかではなかなか経験できないことだと思います。
― 異動後の部署ではどんなことを担当しているのですか?
異動して最初に担当したプロジェクトは、セルフサーブ型広告の立ち上げでした。役員承認に向けた準備からリリースまで約1年かかる長期プロジェクトで、形にできたときは大きな達成感がありました。
― いきなり大きなプロジェクトでしたね。学びや困難はありましたか?
西出さんや尾木さんからは「目標から逆算して動く」という基本を徹底的に学びました。営業時代も手探りでやっていましたが、関わる人数や責任の重さが変わると、それを仕組みとして実行しないと進まない。立場が変わったからこそ得られた学びだと思います。
もちろん、失敗して落ち込むこともあります。たとえば、営業時代は、新卒のフレッシュさやフレンドリーさを武器にコミュニケーションを取ってきましたが、CEO’s Officeの仕事ではそのスタイルがうまく機能しない場面も増えてきました。ただ、年次を重ねてもさまざまなフィードバックをいただけるのは本当にありがたいです。挑戦して良かったと心から思っています。
楽しければなんとかなる――“寝れば忘れる”ポジティブ思考
― 今後のキャリアでやっていきたいことはありますか?
これまでいろいろなプロジェクトを見ていてわかったのですが、事業を大きくするには社外関係者とのやり取りや、事業企画メンバーとのコミュニケーションが重要になってきます。担当していたセルフサーブ型広告がローンチをしたので、次はAdsを軸にした社内外との連携を進める機会を探しているところです。
経営者の父の背中を見て育ったので、自分も起業に挑戦してみたい気持ちもあります。まだ具体的なことは考えていませんが、ゼロからなにかを立ち上げてやっていきたいという思いがあるので、たとえば新規事業や社内起業という形でチャンスがあれば、「やりたい!」と手を上げて挑戦してみたいと思っています。
僕は「楽しければなんとかなる」と思って生きています。この先、結婚したり、子供が生まれたり、そういった大きなライフイベントによって価値観は変わってくるかもしれませんが、今のうちは楽しむ精神でやりたいことを早めにやっておきたいと思っています。
― どうして、いつもそんなにポジティブなのですか?

単純に高校時代がすごくきつかったので、あれを超えるものはないと思っています。でもその経験で「なんとかなるだろう」というマインドセットが完成してしまったようです。当然落ち込むこともあって、先週も仕事でミスして怒られてさすがにへこんでいました。でも、寝ちゃえば忘れるといいますか(笑)。
プライベートではゴルフ、キャンプ、ダイビングなどアクティブに動いているので、オンとオフのメリハリをつけてリフレッシュできています。

― 最後に、スマートニュースの未来の仲間やキャリアチェンジに悩む人へメッセージをお願いします。
スマートニュースには「やりたい」と言えば挑戦させてもらえる環境があると思っています。異動はそのひとつの形に過ぎず、実際には異動しなくても手を挙げれば任せてもらえることはたくさんあります。このカルチャーや環境を存分に活かして、希望がある場合は発信してみるのがいいと思います。

キャリアチェンジは、あくまで結果に過ぎないと感じています。一歩踏み出すことに迷いや不安を抱く人もいるかもしれませんが、まずは自分のやりたいことを言葉にしたり、書き出してみたりするといいかもしれません。その先にきっとわくわくする未来が待っていると思いますし、実際に僕はいま、わくわくする日々を送ることができています。
取材 / 文 = Talent Acquisition Operations Associate(多田)
撮影 = Inside SmartNews編集部(花井)