Inside SmartNews
「自分が困る、だからつくる」── 個人の課題を、チームの武器に変える|SmartNews Igniterの働き方

スマートニュースには、会社のCore Values(コアバリュー)を体現する従業員を毎月称える「SmartNews Igniter(スマートニュース・イグナイター)」という制度があります。今回ご紹介するのは、広告事業部の広告代理店向け営業チームでアカウントマネージャーを務める加瀬 裕里さん。
加瀬さんの今回の受賞理由は「担当範囲を超えて営業チーム全体のパフォーマンス向上に貢献した」こと 。個人の目標達成が求められるセールスの世界で、なぜ彼女はチーム全体の課題解決へと乗り出したのか。その行動の源泉にあったのは、「まず自分のために」という率直な動機と、個人の成果を「伝統工芸」で終わらせないという強い信念でした。彼女の言葉から、スマートニュースのカルチャーと、主体性がチームにもたらす価値に迫ります。
【Profile】
加瀬 裕里(かせ ゆり)Account Manager, Digital Agency Sales
Web広告業界で15年以上のキャリアを積み、Twitter(現X)などを経て2024年4月にスマートニュース株式会社に入社。アカウントマネージャーとして広告主のサポートを担う傍ら、営業チーム全体の業務効率を改善するツールやソリューションを自ら開発。個人としてだけではなく、チームとしてのパフォーマンス向上に貢献したことが評価され、2025年4月「SmartNews Igniter」に選出される。現在はBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)マネジメントの役割も担い、個人の成果とチーム全体のパフォーマンス最大化に貢献している。
RPGのように、コンフォートゾーンの外へ
―SmartNews Igniter受賞おめでとうございます!まず、Kaseさんの現在の役割について教えてください。
ありがとうございます。今は主に二つの役割を担っています。
ひとつは、一般的なアカウントマネージャーとしての役割。SmartNewsという媒体に出稿してくださる、広告主様や広告代理店様の、広告運用やご出稿をお手伝いする仕事です。決められた予算のなかで、商品をいかに広くユーザー様にお届けできるか、効率的な広告運用を追求しています。
そしてもうひとつが、BPOのマネジメントという役割です。入社後に業務効率化のためのツールや汎用的な資料を自主的に作成していたことを評価していただき、個人の営業活動だけでなく、チーム全体の課題を解決するソリューション提案やパッケージの提供、中長期的な営業戦略のディレクションも主務のひとつになりました。

―多彩な役割ですね。スマートニュースに入社された経緯は?
実は、スマートニュースは7社目か8社目くらいで、ちゃんと数えていないので、はっきりと覚えていなくて(笑)。ガラケーの時代から広告に携わっており、広告業界でのキャリアは15年以上になります。これまで転職を繰り返してきたのは、「快適な状況(コンフォートゾーン)から常に出続けていたい」という思いが強いから。RPGのように、自分に足りないスキルやアセットを獲得していく感覚で、さまざまなことに挑戦してきました。
スマートニュースを選んだのは、アカウントマネージャーという名前でありながら、プロダクトやチームのあり方まで、これまでは責任の範囲外だった領域にまで関われると聞いたからです。外から見える大企業というイメージとは違い、一人がいろいろなことをやらなければいけない、それが面白そうだなと思いました。
「自分が使うため」につくったものが、チームの武器になった
―今回の受賞理由となった「ダッシュボードの構築」や「ベストプラクティスの共有」は、どのようなきっかけで?
入社して一番驚いたのが、営業職が特化して使える社内ツールが少なかったことです。みんなが同じ分析ダッシュボードを使い、それぞれが必要な情報を探しているという状況で、作業が重複していました。必要なデータにすぐアクセスできず、詳細分析ができるような社内ツールも存在しない。正直、「これなしでは、自分は活躍できない」と感じました。なので、まず自身がパフォーマンスを発揮できるよう、自分用に作り始めたんです。

スマートニュースには、料理でいう「材料(データ)」は豊富にありました。今まで働いてきた会社の中でも、社内の営業職の人間が閲覧したり使ったりできるデータ量が多く、自由度もとても高い。でも、それを調理する「道具や調理法(ツールや知識)」がなかっただけ。すごくもったいないなと感じたので、過去の経験を活かして、まずは自分用につくってみた、というのが始まりです。
―どのように周囲を巻き込んでいったのですか?
序盤から誰かを巻き込むことはしませんでした、面倒くさがりなので(笑)。
スピードと質を両立させたい。なので、まずは自分が欲しいと思う機能を全部搭載した「おもちゃをつくる」ような感覚で勝手につくって、周囲に「できたよ」と見せて、反応を見ながら改善を加えていきました。そうすると、意外にも同じことに不便を感じている人が多いとわかり、少しずつ協力してくださる仲間も増えていきました。実際にプロジェクト化して、現在作成に取り組んでいるツールもいくつかあるんですよ。
Outcome Obsessionを、「伝統工芸」で終わらせない
―その行動は、まさにCore Valuesのひとつ「Nothing is Somebody Else’s Problem / ひと事なんてない」を体現していますね。
そうですね。でも実は、私の行動の起点は「Outcome Obsession / 結果への執着」からきていると思います。自分も、チームの方々も、みんな結果に対する意識は非常に強いと感じています。
でもそれと同時に、その結果がその人だけの「伝統工芸」のようになって、他の人が真似できないナレッジばかりになるのは、すごく時代遅れです。こういった状況は、どの会社の営業組織も陥りやすいものだと思います。

だから、私にとっての「Outcome Obsession」は、「For the Common Good / 共通善のために」と相関関係にないと意味がない。数年後の将来、新たに入社した人でも早い段階で、同じように高いパフォーマンスを出せる仕組みをつくること。均等な人の質が、同時多発的に社内で成長しないと会社は回らない。
個人のスキルに関わらず、チーム全員が同じように成長しパフォームできる状態をつくることこそが、本当の「結果」につながると信じています。
―全てのCore Valuesが相関関係にあることで、結果につながるということですね。
はい、そうですね。一番好きなCore Valuesは「Nothing is Somebody Else’s Problem」なのですが、これも自分のことだけに必死になってしまわないように、という思いがあります。自分の結果だけを考えてしまうと、それは誰にも真似できないものになってしまうので、「Nothing is Somebody Else’s Problem」の意識は常に保っておきたいと思っています。
現場のオーナーシップと、営業へのリスペクト

―加瀬さんから見て、スマートニュースはどのようなカルチャーを持つ組織ですか?
現場の社員全員が「どうしたら全体の売上を上げられるか」という経営目線のオーナーシップを常に持っている組織だと思います。やらざるを得ない環境、という側面もありますが、それが素晴らしいカルチャーだと感じています。
スマートニュースに限らず、どの企業でもチームごとに特色があり、意見が合わないこともあると思います。ですが、スマートニュースでは、たとえ考え方が違っても、見ている大きな方向性は一緒。多少相容れない意見があっても、それを受け入れて運営しているというのは、珍しいし素晴らしいところです。
それに、ここまで広告営業が尊重されている会社は、本当にめずらしいと思います。営業からの問題提起に対して、他の部署が「なんとか解決しよう」と一緒に動いてくれるんです。部署間の意見の受け渡しも本当にスムーズ。この風通しの良さは、ビジネスサイドで働く人間にとって、すごくやりがいがあると思います。
―最後に、この記事を読んでいる未来の仲間へメッセージをお願いします。
特に広告営業で入社される方は、結果を重視するあまり、最初から肩に力が入ってしまうかもしれません。スマートニュースのメンバーも、Outcome Obsessionな方たちばかりですが、その背景では緻密に計算がされています。入社してすぐは焦らず、まず周囲をよく観察し、学ぶことに時間を使ってほしいです。本当に必要なものを見極めてから取り組むと、同じ事に不便を感じている人が意外と多かったりして、必ずそれを手助けしてくれる人が現れます。優しい人たちばかりなので、最初こそ観察、分析、理解を大切にしてもらえたらな、と思います。

取材 / 文 = Inside SmartNews編集部(梅田)
撮影 = Inside SmartNews編集部(花井)
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